今年から厳しくなったシンガポールの就労パス審査、実際は?

昨年7月に続き、今年1月から更に審査基準が引き上げられたシンガポールの就労パス、具体的には、シンガポールで働く日本人の大多数が持つEmployment Pass(EP)の最低給与が$2800から$3000に引き上げられました。わずか数%の引き上げ額ですので、これだけであればインパクトはさほど大きくはありません。しかし今までにない大きな変更が1つあります。

それは、最低給与$3000は一部の優秀な大学を卒業した新卒及び経験の浅い若手を対象とした基準であり、その他の大学の卒業生及び優秀な大学を卒業していても就労経験をそれなりに持つ者は、この$3000に経験を加味した給与を求められるようになった点です。昨年までは、最低給与を満たしていれば経験や出身大学は関係ありませんでした。それが、経験や出身大学によって必要とされる給与額が異なるようになったのです。

シンガポールで雇用される日本人の大多数が就労経験を生かして採用されている為、『経験を加味した給与』とは具体的に幾らなのか? これがEmployment Pass(EP)が許可されるか・不許可になるかの大きな分かれ目になることは以前から予想されていました。

幾らの給与を得ればEmployment Pass(EP)が許可されるのか、シンガポール政府はその参考用にオンライン診断ツールを用意しています。給与額、卒業大学・学部、職歴、シンガポールでの職業、国籍、年齢等を入力すると、Employment Pass(EP)が許可される可能性が高いかどうかを瞬時に判断出来ます。

このオンライン診断ツールを使用すると、経験者の場合、$3500~$4000程度の給与は必要だと診断されるケースが多いです。もちろん卒業大学や職歴、年齢等で必要額は変動します。

それではここからが今日の本題です。
新制度になってまもなく2ヶ月、ようやく新制度での申請結果を周囲から聞くことが増えてきました。

実際はどうなのか? 見聞きした実例からいくつか傾向が見えてきました。

1)$3000はやはり厳しい
経験者が最低給与の$3000(すなわち経験を加味した給与ではない)程度で申請しても、却下となるケースが多いようです。やはり最低給与ギリギリの場合、優秀な大学を卒業している若手(就労経験3年程度まで?)で無ければ許可は厳しいのでしょう。

2) Sパスになるケースが増えている
SパスとはEmployment Pass(EP)の下位にあたる就労パスで、主に四大卒未満の方を対象としています。Sパスは取得できる枠(人数)が社員の25%までと定められています。必然的にそれなりに規模が大きな会社である必要がありますが、社員数が多くても既に枠を使い切っていると申請できません。
Sパスの枠を持っている企業が$3000程度で申請すると、Employment Pass(EP)は不許可でもSパスは許可されるようです。

3)ボーダーラインは$3300~$3500程度?
経験者に必要とされる 『経験を加味した給与』として、$3300~$3500程度で申請すると許可されることが多いようです。先に紹介した政府のオンライン診断ツールの結果($3500~$4000が一般的)よりもやや低い給与でも許可されているということになります。

以上が新制度が適用されて約2ヶ月の間に見聞きした実例から得た傾向です。
これから3月・4月になると更に結果が増えるので、より傾向が明確になってくるでしょう。

新制度になり、確実に審査ポイントが複雑化しており、他人の成功例も参考になりにくくなっています。審査の重要なポイントであろう年齢・経験・卒業大学を個々にしっかりと確認して、許可される給与額を弾き出すことが就労ビザ獲得の可否の鍵になるでしょう。

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