オーストラリア ワーホリビザ 残高証明書の偽造問題

オーストラリアのワーホリビザに関するこんな報道を目にしました。

ポイントをざっとまとめると…

  • 日本の留学エージェントがオーストラリアのワーホリビザ申請を代行
  • 申請に必要な銀行の英文残高証明書を偽造してワーホリビザを申請
  • オーストラリア当局が偽造書類による申請を認識
  • ワーホリビザを突然剥奪された日本人多数
  • 日本に一時帰国中に剥奪された方はオーストラリア再入国もできない状態(部屋の契約も荷物もそのまま)

報道全文は以下で読めます。

この事件をシンガポールの学生ビザ・ワーホリビザの事例も含めて解説したいと思います。

シンガポールのワーホリビザとは?

シンガポールにもワーホリビザはあります。日本・シンガポールの協定に基づいたワーホリではなくシンガポール独自の仕組みです。対象は日本を含む指定国の大学在学または卒業の18歳~25歳、大学は全日制の学部(学士授与)が条件です。ワーホリビザの期間は6ヵ月、シンガポールで働いたり語学学校に通学できます。25歳までと年齢制限が厳しいため、特に大学在学中にワーホリを経験したい方にはお勧めです。シンガポールでワーホリを経験した皆さんのブログも参考に

他人の銀行残高証明は取得できない

自分の銀行の残高証明書を発行できるのは自分名義の口座がある銀行のみです。第三者の留学エージェントが代行して大切な個人情報である残高証明書を入手・用意できるわけがありません。

まずこの時点で怪しいことに気付けることが今回のような被害にあわないためには大切です。

弊社ではシンガポールの学生ビザやワーホリビザ申請に必要な書類は全て皆さんにご用意して頂いています。一部、英文での提出が難しい証明書は弊社が代行して用意していますが、ご本人から委任状を得て公的機関を通して取得しています。

なおシンガポールの学生ビザ・ワーホリビザの申請に銀行の残高証明書は原則必要ありません。但し本当に稀ですが学生ビザの審査途中で残高証明書を求められることがあります。過去20年で数件ですので確率は相当低いです。

留学エージェントの認識の甘さ

今回の事件の発端になった留学エージェントの代表者は「ビザは申請すれば簡単に取れるもの。それほど残高証明書は見ていないだろう」とメディアの取材に答えたそうです。

実際、シンガポールでも規定を満たしていない証明書でビザが許可されたり、証明書の提出はケースバイケースのため求められたら提出するケースもあります。

だからと言って偽造した書類で申請して良いわけではないのは当然のこと、もし書類の偽造が発覚した場合、もちろんビザは許可されませんし、今回のようにビザ発給後の発覚はビザ取り消しになるでしょう。

一生の傷になりかねないほど

今回被害に遭われた皆さんは他国のビザ申請でも不利になる可能性があります。例えばシンガポールの学生ビザやワーホリビザの申請時には以下の質問に答えなければなりません。

いずれかの国で入国拒否/強制送還されたことはありますか?

もちろんオーストラリアの様々なビザ申請で大きく不利になることは間違い無いでしょう。偽造書類を提出したのですから要注意人物になるからです。

ビザ申請を今回のようにその場しのぎで対応してしまうのは本当に危険な行為です。弊社ではビザ申請の重大性を常に意識、間違いのないように何度も確認を重ねるようにしています。今回の留学エージェントは過去に問題なかったため、感覚が麻痺してしまいビザ申請の重大性を忘れてしまったのでしょう。

ビザ申請代行の違法性

オーストラリアには外国人のビザ申請を代行する専門の資格があるそうです。日本の司法書士のビザ特化版のような資格なのでしょう。しかし今回はオーストラリアの法律が及ばない日本拠点の留学エージェントのためオーストラリア政府が取り締まることはできないのでしょう。

シンガポールの場合、ビザ申請代行の規定は学生ビザとワーホリビザで違います。政府の管轄官庁が異なるからです。

学生ビザ申請代行は違法ではない
ワーホリビザ申請代行は認められていない
学生ビザの申請代行は違法ではない

学生ビザは申請代行に資格は存在しません。そのため申請を第三者が代行することも違法ではありません。一方、ワーホリビザは本人による申請のみが認められています。

学生ビザ申請には数十もの項目や複数の提出書類があります。もちろん全て英語です。

そのため間違いがないように弊社・入学する学校が協力して申請を代行しています。間違えて申告してしまうと最悪ビザは許可されず再申請(訂正して)しても前回と異なる内容は虚偽申請と取られる可能性もあるからです。

ビザ許可の判断は担当する政府官庁です。第三者が絶対とは言えないものです。そのため弊社や学校が代行して正しく申請しても100%確実とはお約束できません。しかし申請を代行する留学エージェントの中には安全性をアピールすることもあります。

以下はシンガポール政府の学生ビザ管轄官庁のホームページ記載の代行業者利用の注意喚起です。

Application for Long-Term Immigration Facilities Through Commercial Entities or Consultants

ちなみに過去に弊社がお手伝いして学生ビザが許可されなかったケースは僅かながらあります。但しそれらは許可されない可能性があった特殊な背景を持つ方みです。

ワーホリビザの申請代行は認められていません

一方、シンガポールのワーホリビザの申請代行は認められていません。ワーホリビザを申請する本人による申請作業のみ認められています。この点は担当官庁にも確認済みです。

そのためワーホリビザの申請作業はご本人に行って頂き弊社は申請サポートという形でサービスを提供しています。提出書類や入力項目を申請者の情報に沿って確認、個別の申請マニュアルをご用意、それを参考に申請して頂く形です。

オンライン申請のため申請作業を代行しても発覚する可能性は低いと思いますが、万が一発覚した場合の最悪のケース「ビザが許可されない」リスクを避けることはこの仕事でお金を頂いている立場としては守るべき責任だと考えています。

学生ビザもワーホリビザも発給可否の判断は管轄官庁、ビザ発給を認めない理由が些細なことでも彼らがNOといえばそれを覆すのは簡単な話ではありません。

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