シンガポール生活費世界一のカラクリ

毎年、この時期になると話題になるのが、「生活費が世界で最も高い都市はシンガポール」のニュース。

ニュースの出所は経済誌「エコノミスト」の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が毎年発表している「生活費指数(Cost of living Reort)」です。

この調査は、EIUのサイト(以下)に書かれているように、企業の人事やファイナンス部門が、駐在員・出張者の手当(ompensation packages for expatriates and business travellers.)算出の参考になることを目的に調査しています。

The survey itself is a purpose-built internet tool designed to help human resources and finance managers calculate cost-of-living allowances and build compensation packages for expatriates and business travellers. Worldwide Cost of Living Report 2016

すなわち、正確に言えば「駐在員の生活費が世界で最も高い都市」であり、「一般庶民の生活費が世界で最も高い都市」ではありません。

しかし、日本のマスコミ報道のほとんど全てが「駐在員」の部分を抜かして報道しています。

シンガポールが世界で最も高い都市になったのはこれで3年連続、シンガポールが初めて世界で最も高い都市になった2014年、シンガポール政府はこの調査結果は庶民の生活実態と大きく異なる反論のリリースを出しました。

Is Singapore the most expensive city to live in? 28 March 2014

反論その1:全ての物価計算はUSドルがベースになっている

2003年から2013年の間、シンガポールドルはUSドルに対して40%近くも値上がりしました。そのため、USドル計算の駐在員の生活費も大きく値上がりしました。

反論その2:物価の比較に選ばれた商品/サービスは多くのシンガポール人が日常的に使用している商品/サービスとかけ離れている

物価の比較に選ばれた商品/サービスは外国人、特に西洋人が好んで選ぶものが中心です。日本で言えば「成城石井」等の高級スーパーで扱っている高級輸入品を中心に商品を比較しているイメージです。実際、シンガポール政府のリリースによると、物価の比較に選ばれた商品/サービスのうち95%は、シンガポール統計局の物価調査結果に比べて高く、そのうち40%は一般的なシンガポール人が支払っている額の2倍以上だったそうです。

たとえば、Men’s business shirt, white、いわゆるYシャツの価格、EIUの統計では、$259~$430(2~3万円程度)です。一方、シンガポール政府の統計は$57.43(4500円程度)、5~8倍もの価格差です。ちなみにシンガポールのユニクロで売られているYシャツで最も高いのが$59.90(スーパーノンアイロンシャツ・長袖)、ちょうどシンガポールの平均的価格です。

モノ以外の値段の算出方法も怪しいです。たとえば、1ヶ月の電気代(4人家族)、EIUの調査では、S$938.96~S$1,433.32でしたが、シンガポールの平均はS$116.94と10倍前後も違いがあります。大きな家で24時間エアコンフル稼働状態でなければ、この電気代にはならないのではないか・・・と思えるほど高い額です。日本人駐在員の家庭でも、世帯人数にもよりますが、$150-$300程度ではないかと思います。

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確かにシンガポールは決して物価の安い国ではありません。しかし著しく高いと感じるのは、不動産(住宅家賃を含む)・乗用車(渋滞対策の為、日本の3倍程度)・レストランでの外食程度です。乗用車は公共交通機関が発達しており、乗用車が高い分、運賃も日本に比べ遥かに安いので、さほど必要性は感じません。レストランも普段は数百円で食べられるホーカー(屋台)・フードコートそして自炊を心掛けるなどメリハリを付けた食生活を送れば、手が出せないほど高くはありません。もちろん日本食は日本に比べれば高いのですが、海外ですからそれは当たり前の話です。(日本でチキンライスを食べたらバカ高いのと同じです)

従ってこれは高い、もう少しなんとかしてほしい・・・と思うのは家賃くらいです。しかし、これもシンガポールという都市国家の特殊性(東京23区と同程度の面積)を考えれば、仕方のない部分ではないかと感じます。(もちろんもっと安くなってほしいのですが・・・)

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