2011年 シンガポール10大キーワード「外国人絞込み」

シンガポールで働く外国人は大きく2つに分けられます。

1つは「Foreign Worker」と呼ばれるシンガポール人がやりたがらない職業、例えば工場や建設現場、レストランや小売業の現場、メイドといった職業に就く、近隣諸国(中国・タイ・フィリピン・インドネシア・バングラデシュ等)から来ているいわゆる出稼ぎ労働者と呼ばれる人々です。彼らは「Work Permit 」という就労ビザを取得して働いています。シンガポールで働く外国人の多くはこの「Foreign Worker」です。Work Permitは許可される国籍が定められており、日本国籍者には発行されない就労ビザです。

もう1つは「Foreign Talent」と呼ばれるシンガポール人にない高度な能力を持つ外国人で、シンガポールで働く日本人も駐在・現地採用を問わず、このグループに属し、「Employment Pass」 や「S Pass」という就労ビザを取得して働いています。

人口急増とシンガポール人の不満

シンガポールは2000年からの10年間で人口が約400万人から約500万人に急増しました。その多くはもちろん外国人(シンガポールの出生率は日本よりも低い)、この人口増加も順調な経済成長を遂げた一因でもあります。

しかし、その一方で急増する外国人とシンガポール人の間に問題も生じはじめました。

Foreign Worker(出稼ぎ労働者)の問題は、日本でも外国人との間に多い生活習慣の違いによる問題やサービス業において英語が出来ない労働者(主に中国人=中国語のみ)が増え、マレー系やインド系のシンガポール人は、自分の国なのに言葉が通じないという不便を味わうことになったのです。

またForeign Talent(有能な外国人)の問題は、特に高学歴の若いシンガポール人の職を奪っているという主張が聞こえてくるようになりました。周辺諸国の優秀な若者にとって、シンガポールはいわば日本の地方から上京して就職するようなイメージ、高学歴の若いシンガポール人より安い給料でも母国で働くよりはるかに高い給与を得られます。一方でシンガポール人の高学歴化も進み、高学歴者の割合も増えています。

また外国人全体の問題としては、人口急増による公共交通機関の混雑、以前は朝夕の通勤ラッシュ時間帯でも、MRT(地下鉄)に乗れないほど混むことは無かったのですが、最近は満員のために1本待たないと乗れないということも起きています。

こうした不満が結果となって現れたのが2011年5月に行われた国会議員総選挙、与党PAPは依然として圧倒的多数の議席を占めたものの、得票率は60%と史上最低を記録しました。国民の40%は野党に投票をしたのです。

政府与党は、こうした国民の不満を見越して2010年頃から外国人に対する規定を強化するようになりました。永住権(PR)の審査を厳しくしたり(以前は申請者の7割に永住権を認めていたのが現在は3割程度)、サービス業に従事するForeign Worker(出稼ぎ労働者)に英語テストを義務付けるといった具合です。一方で企業には安い外国人出稼ぎ労働者に頼るのではなく、生産性を高めるように求めました。

そして選挙直前の2011年3月には、Foreign Talent(有能な外国人)向けのEP/S Passの最低給与額を、7月からそれぞれ、$2500→$2800/$1800→$2000 に引き上げることを発表しました。

更にその値上げ効果を検証する間もない、大統領選挙をひかえた2011年8月初め、2012年1月からEPの最低給与を$2800から$3000にする更なる引き上げを発表しました。2011年6月までは最低$2500で良かった給与が、わずか半年後の2012年1月には20%も上昇してしまったのです。この変更は今までは四大卒で最低給与額を満たしていれば問題なかったEPが、卒業した大学や経験(年齢)によって更に高い給与額を満たさなければならないこともあわせて発表されました。

新しい最低給与の$3000が適用されるのは優秀な大学を卒業した若い人材(新卒または経験数年程度)に限られ、一般的な大学やより長い経験を持つ人材は、更に高い給与(概ね最低$3500-$4000程度)でなければEPを取得できなくなったのです。

この就労パスの規定変更は20年近くのシンガポール生活の中でも、最大規模の変更です。

新制度での審査が始まる1月からしばらくの間は、申請したけれど却下された・・・という話を聞くことが多くなると予想しています。

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