海外進出で大切なこと 日本より辛い「カラムーチョ」がベトナムで売れている!

日本より辛い「カラムーチョ」がベトナムで売れている!という記事を読みました。

海外進出の重要性が叫ばれて久しいですが、成功している企業は一握り、進出前の思惑通りにいっていない企業が大多数なのが現状です。

このカラムーチョの海外進出事例、ベトナムの現場を見ていないので確実なことは言えませんが、記事を読む限り、地に足がついた確実な戦略を行っていると感じたので、その戦略をシェアしたいと思います。

キーワードは、現地生産、ローカライズ、知名度ゼロを自覚、販路開拓、そして「マーケットを深く知る」ことの大切さとその実践です。

現地生産

同国・ドンナイ省に同社初の海外生産拠点「コイケヤ ベトナム」を17年9月に稼働

日本製の弱点は価格競争力。中国・東南アジア各国で作られた商品に比べ、価格の高さが際立ってしまいます。

特にカラムーチョのような一般消費者向け商品は買い求めやすい価格設定が命。

日本で生産、輸出していてはどうしても価格競争力で劣ってしまいます。

ベトナム国内に生産拠点を持つことで、地元メーカーに負けない価格を設定できます。

シンガポールでも、日清、キッコーマン、ヤクルト、ポッカ、一風堂などが自社工場を持っています。

ローカライズ

ベトナム市場での同商品は、日本のものよりも辛くした。辛みと酸味、甘みをバランス良く兼ね備え、より一層後に引く味わいに仕上げている。

日本人向け仕様が海外でそのまま受け入れられるとは限りません。

特に味の好みは、各民族の長い歴史・文化で培われたもの。

日本での自社商品の成功は、日本企業が日本で日本人向けにローカライズしているのが理由です。

日本で受け入れられているから海外でも大丈夫・・・は根拠のない自信、

海外では「受入れてもらえない」「好みにあわない」のは当たり前くらいの気持ちで、事前の市場調査を十分に行うことが大切です。

ちなみにシンガポールでも、ローカライズされた「日清カップヌードル」「カルビーポテトチップス」が売られています。

日清カップヌードル・シンガポール版商品一覧

カルビーポテトチップス・シンガポール版商品一覧

知名度のあるブランドとタイアップ

現地の人気若手女優を起用し、日本の有名アニメキャラクター「ドラえもん」とコラボレーションしたウェブプロモーション動画を展開

日本では誰もが知るカラムーチョ、しかしその知名度は海外で通用しません。

「カラムーチョ???」となるだけです。

自社商品を知らない土地での商売は、日本の成功で培ったブランド・信頼は全く通用しません。

その国のナショナルブランドにかなわないばかりか、中国・東南アジア諸国の安かろう・悪かろうの無名ブランドと同じ知名度からのスタートです。

その知名度の無さを補う1つの方法は、その国で既に地位を得ているブランドとのコラボによるブランディングです。

カラムーチョはベトナムの人気若手女優、そして日本ブランドをアピールするために知名度抜群の「ドラえもん」の力を借りました。

地元の著名人やドラえもんとのコラボは豊富な予算を持つ大手企業だからできることですが、大切なことは「自社商品の知名度はゼロである」の自覚です。

しかし、日本での知名度や成功体験から、例えば、地方の名産品では「〇〇産」にこだわりがちです。

東南アジアで知名度が高い「北海道産」であれば話は違いますが、日本の地方の地名は、よほどの日本おたくの外国人でない限り、聞いたこともない地名です。

海外市場でどのように自社商品をブランディングしていくか?は、日本での知名度・成功体験を一旦捨て、まっさらな状態でゼロから考え直すことが大切です。

現地事情・ターゲット層に根差した販路開拓

国内で多くのシェアをもつ伝統的流通市場の個人経営小売店で、いかに速く販路を拡大していくかが課題

カラムーチョは一般大衆向けの商品、市場への浸透は「普段、買い物に行くお店で売っている」ことが不可欠です。

ホーチミンにあるイオンや高島屋、日系コンビニ、外国人向け高級スーパーのみで扱っていても、一般に広く浸透することは困難です。

ホーチミンの都心を離れれば、昔ながらの個人商店が生活の中心にあるベトナム市場。

個人商店は小口卸・現金決済など手間はかかりますが、こうした店に丁寧にあたっていくことが販路を広げるには不可欠です。

この個人商店への地道な営業戦略でインドネシアでトップシェアを勝ち取った日本のブランドがあります。

「ギャツビー」ブランドで男性向け整髪料を展開する「マンダム」です。

マンダム 整髪料をインドネシア1万3000の島々に(日本経済新聞)

1969年にインドネシア進出、日本サイズの容器では高すぎて買えない一般消費者のために、1回使い切りの小袋サイズを導入(パッケージのローカライズ)、家族経営の小規模雑貨店で販売しました。

これが「今日はデート!」という若い男性の心をつかみ、トップシェアを獲得するに至りました。

現在、「ギャツビー」は日本を含むアジア全体の若者層をターゲットに「GATSBY CREATIVE AWARDS」を開催、インドネシアだけでなく、アジア各国でも抜群の知名度を築くことに成功しています。

最後に 「市場調査 X 短期留学」のすすめ

海外進出・マーケティング、かっこよく聞こえる言葉かもしれませんが、何よりも大切なのは「マーケットを深く知る」ことです。

しかし、その商売の基本がなぜか海外に進出する際にできない企業が多いのが実情です。

シンガポールでは数多くの展示会・商談会が行われていますが、展示会・商談会前日にシンガポール入り、日本の商品を日本の見せ方でそのまま展示・商談して、翌日には日本へ帰国・・・というケースを山のように見てきました。

以前、展示会に出展した日本企業の方にこのような質問をしたことがあります。

「地元スーパーのフェアプライスは見学されましたか?」

「時間がなくて見学できていません」

「同じ商品では〇〇〇という地元ブランドが人気ですがご存知ですか?」

「そのようなブランドがあるのですね、価格はお幾らくらいでしょうか?」

展示会・商談会は初めの一歩としてはありだと思います。

しかしその国のマーケットを深く知らなければ、展示会・商談会という機会を有意義に使えません。

そこでご提案です。

シンガポールに数週間滞在、じっくり地元消費者の視線でシンガポールの市場調査をおこなってはいかがでしょうか?

数日程度の視察旅行では、どうしても日本からの視点のみになりがちです。

地元の人と同じ食事をして、地元マーケットで買い物をして、公共交通機関を使って移動する、

一定期間こうした生活を送ることで、地元消費者視点でのマーケットが見えてくるはずです。

もう1つ、海外進出に不可欠なものが英語です。

滞在中は学校に通い英語も学びましょう。

マンツーマンレッスンでシンガポール人英語教師から英語を学べば、シンガポールのことも同時に知ることができます。

レッスンでは、会話のテーマは「市場調査のインタビュー」、長文読解の英文は「競合地元ブランドの英文ホームページ」にすることで、「すぐに使える英語」「仕事に役立つ英語」を習得できます。

なかなか英語が上達しない、実践で使えないのは「実際に英語を使っていない」ことが大きな理由です。

そのため「市場調査 X 短期留学」は、英語上達の面でも理想的な形です。

日本国籍の場合、シンガポール入国時に30日間の滞在スタンプが押されるので、30日以内が具体的な滞在期間です。

ご興味を持たれた方は、弊社の短期留学のホームページをご覧頂き、お問い合わせください。

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